เข้าสู่ระบบ「お兄ちゃん!助けてー!」
「待ってろ!すぐ助ける!…くそっ、騎士団より悪魔が多すぎる…」 理由は分からないが突如現れた悪魔の大群は町に現れ、たくさんの人々を殺戮していた。 俺はちょうど騎士団の仕事でこの町にいたので仲間と共に悪魔に対抗していた。 大半の悪魔は倒したはずなのだがどういう訳か悪魔は増える一方でエバルフ達は苦戦していた。 その目の前には妹が悪魔に取り囲まれていた。 「エバルフさん!悪魔が多すぎて我々じゃとても…」 「くそっ、団長がいればいいんだが今あの人は他の任務だからな。どうすれば…」 エバルフが悩んでると妹を囲んでいた悪魔が妹を切り刻もうと爪を振り下ろしたその時。 グサッ… 何かが斬られた音がした。 これは妹が斬られた音ではなく、悪魔が斬られた音でその悪魔は斬られた背中を押さえながら倒れてしまった。 悪魔を斬ったのは黒いローブを身にまとっていて顔はフードを被っていたのでよく見えないがどことなくグレンに似ていた。 周りにいた悪魔は仲間が斬られた事によってこのローブの男を敵と判断した。 そして爪を伸ばして襲いかかった。 しかし、その男は目に見えない速さで悪魔を斬りまくっていった。 そして男が目で判断できる速さになった時には悪魔達の体から切り傷が出てきて血を吹き出しながら倒れた。 それを見たエバルフは妹が助かったと思ってホッとした。 「よかった。妹は無事に助かっ…」 エバルフは目の前の状況を理解するのに少し遅れたがそれに気づいた時彼は狂ったように発狂した。 「ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」 そこには悪魔の死体の中に妹の死体まで混じっていたからだ。 「お気を確かに、エバルフさん!…なんて事を…」 横にいた部下の男はエバルフの妹を見てから黒いローブの男を睨みつけた。 黒いローブの男は悪魔と一緒に妹まで斬ったのだ。 しかし、謝罪もせずにその場を立ち去ろうとした。 「…待てよ。」 エバルフはうつむいているが地面につけた手からは怒りで震えているのがわかった。 立ち去ろうとするローブの男を呼び止めたると男は言った。 「…何を怒っている?俺の射程距離にコレがいただけだ。運が悪い。」 「な…に…」 「そんな睨むな。助けれなかったのはお前の弱さ以外何もない。」 その男は悪びれるどころかエバルフの弱さが原因とハッキリ言った。 エバルフはその男のイカれた発言に我慢できず、手元にあった剣でその男を斬りつけようとした。 しかし男はその剣をかわすとエバルフの首筋を手で叩きつけ、エバルフは地面に倒れた。 「弱いくせに人助けなんざ笑わせる。俺はお前みたいな弱いくせに守るとかほざく奴が大っ嫌いなんだよ。」 ローブの男はそのまま去ろうとするがエバルフの部下達は男の目の前に立ち塞がった。 「どけ、死にたくなかったらな。」 「どきません!さっきの言葉訂正して下さるまで…どきません!」 部下の1人が懸命になって言うが顔には涙と恐怖でブルブル震えているのが伝わってくる。 「はぁ、無理するな。そんな事しても悪魔祓いの俺に勝てるわけないだろ?」 ーそうだ、やめろ…お前達じゃ勝てな… 「勝てるか勝てないかじゃない!あなたは私たちの職業を…騎士団の誇りを侮辱した!訂正するまで絶対に許さないぞ!」 「…はぁ、そんなに死にたければ…今すぐ殺してやる。」 男はそう言って剣を抜き始めた。 「よせ…やめろ…やめろーーー!!」 その後、男はエバルフ以外の部下達を容赦なく殺した。 その時のエバルフには絶望しかなかった。 そして思った。 「許さない、悪魔祓い」 エバルフはその憎しみを全て強さに変え、3年後12騎士長の1人となった。 昔の純粋な夢を抱いたエバルフ・シュロンはもういない。 いるのは憎しみによって生きているエバルフ・シュロン。 そう、俺は強くならなきゃいけない。ならなきゃ誰も助けられないー 「…そうだ…強くならなければ…誰も守れない…」 諦めかけたエバルフは再び落ちている剣を持ち立ち上がった。 「…?」 「悪魔祓いを装って人々を殺める貴様ら邪道を…俺は…許…さない!」 その瞬間、エバルフの体の周りから黒い魔力のオーラが放たれた。 そのオーラと共に体が黒く変色し、右片方の目だけ黒から赤に変わった。 「何あれ!?あの人の体が黒く…」 後ろで見ていたミーナは当然驚いた。 その黒い姿がまるであの時のシェスカに似ていたのだ。 しかし、その姿を見て驚いたのはグレンも同じだった。 「まずい…あれは悪魔化だ。下手したらあいつ悪魔になるぞ…」 「その通り!いやー、ここまで仕上げるの本当大変だったよ。」 突然聞こえてきた声は今まで気にしてなかったエバルフのもう1人の部下のロフィスだった。 見た目は部下と同じ様に鎧と剣を持った騎士らしい姿で髪と瞳は明るい茶色の男。 ロフィスは今までグレンとエバルフに気づかれないように建物の屋根の上に隠れていた。 そしてそのまま屋根から飛び降りでグレンの前に着地し。 「初めまして、紅の悪魔祓い・グレン。そしてありがとう。あのエバルフをここまで悪魔化させるのに協力してもらって。」 優しく笑いながら感謝の言葉をするロフィス。 グレンはそれを無視して。 「お前は何者だ。魔法騎士団のやつじゃないな。」 「俺か?んー…知ってどうする気?」 ロフィスはおちょくっているのか空中に浮くと逆さになった状態でグレンの顔と向き合った。 向き合った直後に一瞬でエバルフの真横に移動した。 「空間移動…」 「そう、これはあんたと同じ転移魔法。あんたに追いつけたのは予知能力とこの空間魔法のおかげって訳だ。」 「なるほど、通りで最近俺に追いつく距離が狭まってたのか。…で、お前は何者だ?人の悪魔化を望んでるから人間ではなく悪魔なのは確かだ。…そしてそこらの悪魔とは比較にならない程の魔力だ。」 グレンが悪魔祓いになってからビビった事はこの10年間で数える程度しかない。 そのグレンが今ビビっているという事はその周りにいる部下達とミーナもビビっていた。 そしてロフィスは口を開けた。 「…いいだろう…教えてやるよ。俺は悪魔だが他の奴らとはケタが違う。なぜなら…俺はあの悲劇の国で生まれた悪魔!その名も悪魔の上の存在…獄魔(デーモン)だ!」 「獄魔…なるほど、俺の魔法をかわせたのも理解できるな。」 「まあ君ならその気になれば俺なんて普通に殺せるだろ?」 そう言いながらもロフィスは口角を吊り上げながら不敵な笑みを浮かべた。 そして悪魔化してるエバルフの肩に手をポンと置き。 「さあエバルフ。あの憎っくき悪魔祓いを殺しなさい。そうすればお前の憎しみはなくなるぞ?」 ロフィスの言葉によってエバルフは甲高い雄叫びをあげ、黒くなった腕はさらに歪さを増して人の腕の原型をとどめない形に変わっていく。 顔はさっきと同じで右片目だけ赤くてさっきと変わっていないが物凄い形相でグレンを睨みつけていた。 ー来る! そしてその一歩目が早かった。 数メートル離れてるのにも関わらず一歩目でグレンに近づき剣を縦に振るった。 グレンも大剣でそれを防ぎ回避するが予想以上の威力のため少し押され気味だった。 回避してからバックステップで距離を保ってからグレンの手から光の球体を発現させ、その球体をエバルフに向けるとそれを光線のようにして打った。 (くらえ!この光の最上級魔法は回避不可能だ!) キィィィン! しかし、エバルフはその光の光線をいとも簡単に跳ね返してしまう。 「俺の光属性の最上級魔法を…」 自分の中の最上級魔法の中で最速を誇る光魔法を見切られ、動揺を隠せないグレン。 「…許…さない…。許さないぞ…紅の悪魔祓い!」 「俺はお前に恨みを持たせるようなことをした覚えはない。」 「ふざけるな…妹を…妹を返せ!」 何を言ってる?俺はエバルフと初対面だし、ましてやあいつの妹なんて知るわけが… 「そうだエバルフ!そいつがあの時お前の妹を殺した張本人だ!遠慮せずに盛大に殺せ!」 ロフィス…どうやらこの訳のわからん自体を招いた張本人だな。 一方ミーナと倒れていた部下たちは変わり果てたエバルフを見て。 「やはりあの人は3年前の事を…このままじゃあの悪魔化とやらに…」 「くそ!…ロフィスの奴め、前々から気にくわない奴だったがまさかあいつが悪魔だったとは…」 どうやらエバルフ以外の何人かの部下はロフィスの心に気づいていたようだ。 しかし、エバルフはなぜグレンを恨むのか。 それが気になってミーナは聞いた。 「あの、すみません。」 「!?君はあいつ(グレン)の…」 「怖がらなくてもいいです。私は勝手にグレンについて来てるだけなんで。」 部下たちはミーナに声をかけられた瞬間ビビって一歩後ろに下がった。 「ああ、すまない。…で、何…かな…?」 謝っときながらまだビビってる。 私がグレンと旅してるからってグレンみたいな人と勘違いされるのは嫌だなぁ。夢の中のグレンはいい人だけど。 そんな事を思いながらミーナは部下の人達にエバルフがなぜグレンを恨むのか聞いた。 エバルフが騎士団に入った理由。妹と部下が悪魔祓いに殺された事。その悪魔祓いがグレンにそっくりな事をまとめて全部教えてもらった。 「…ということだよ。エバルフさんはそれ以来強さだけが人を守るという信念を持たれたが…」 「その信念はやがて憎しみに変わり、市民の命よりも悪魔祓いの復讐心の方が強くなった。」 「ロフィスのせいだ!あいつがエバルフさんを洗脳したんだ!チキショー!」 最後に言った部下は地面を殴りながら涙を流した。 それはただ忠誠心が強いから仕方なく泣いてるのではなく、心の底からエバルフを心配しての涙だというのがミーナに伝わった。 そしてミーナも鼻をすすり、両目から雫が頬をつたった。 「…エバルフさんは妹を失って、全てを恨みたくなる気持ち…すごく分かります…でも…でも、妹さんは…彼の復讐を望んではいないはずです!」 ミーナは涙を拭き払ってグレンとエバルフが戦ってる方を向いた。 「お嬢ちゃん…まさかあんたあの2人を…」 「止めてみせます!私は決めたんです…グレンを元の優しい人に戻すこと!そして、もう二度と悪魔の悲劇を生まないためにも…私はエバルフさんの悪魔化を止めます!」 そしてミーナはグレンとエバルフの方へ歩き出した。 「うぉぉぉぉぉぉ!!!」 剣を振りかぶりながら接近するエバルフ。 グレンは悪魔化したエバルフに苦戦を強いられていて、今の剣の一撃も大剣で打ち流してかわした。 (おいグレン!なんで本気で戦わん!?) 「お前か…こんな時に声をかけてくるな、後にしろ!」 後ろにバックステップしてる時にグレンの中にいる悪魔が周りに聞こえない声で喋りかけてきた。 (アホか!死んだら何にもなんねーだろ?さっさと黒炎使って獄魔とあの人間殺しちまえ!なんで使わねーんだ?) 「うるさい!今戦ってんのは俺だ!いちいち俺に指図すんじゃねー!」 グレンは悪魔の声を吹き払うかのように大剣を振ると風魔法の効果でエバルフに向かって斬撃が飛んだ。 しかし、その斬撃を軽く避けるとエバルフは風魔法の身体強化で速さを増しながら突っ込んできた。 グレンはどんなに苦戦を強いられても黒炎を使わないのでお互い一歩も譲らないまま攻防戦が続く。 「(くそっ!分かってる…黒炎使っちまえば余裕で殺せる…。だが…今あいつは殺しちゃいけねーような気がする!かといって、このままじゃ俺もヤバイ…どうした俺?変な気持ちを起こす前にいつもみたいにさっさとこんな奴殺しちまえよ!)」 そんな事を考えてると剣がグレンの右肩に擦り、マントが破けるとそこから血が流れていた。 その影響で身体の重心がぐらついて地面にこけてしまう。 エバルフはグレンのこけた姿を真顔で見下ろした。 「ぐっ!…」 「終わりだ…俺の妹を殺した外道の悪魔祓い。死ねっ!」 エバルフが剣を振り上げようとしたその時。 「やめてください、エバルフさん!」 剣を振りかぶった隙に走ってグレンの目の前まで行くと両手を広げてグレンを庇う姿勢を作った。 それに気づいたエバルフは振りかぶった状態のまま静止した 「邪魔するな!どうせお前も悪魔祓いの手先だろ?お前は後で殺すからそこをどけ!」 エバルフの左目と赤い右目がミーナを一直線に見つめた。 怖い、…足が震えているのが自分でも感じる…でも…私はそれでも… ミーナは怖くて震えながらも力を振り絞って言い放った。 「もう、やめて下さい!あなたは…あなたの目指していた騎士団は…復讐を果たすだけの…そんなものだったんですか?」 「何ぃ…?」 エバルフの殺気がきつくなり、剣を握る力が強くなった。 「バカがミーナ!あいつの怒りを高めてどうすんだよ。そいつの目的は俺だけだ。お前はとっとと退が…」 グレンがいち早くエバルフの殺気に気づき、ミーナに退がれと言おうとした時にはエバルフは剣を振り下ろしかけていた。 「くっ…!」 「あぁ、あの子殺され…」 部下達もグレンもダメだと思った時、ミーナは一言。 「あなたの妹はそんな姿を望んではいないはずです。」 その一言でエバルフの剣がミーナの頭の上でピタッと止まった。 「バカな…奇跡だ…」 多分この場にいるほとんどがびっくりしたはずだ。 あのロフィスでさえ驚きのあまり開いた口が閉じれなかった。 「俺の…妹…」 「あなたの妹は3年前に殺された。しかもグレンにそっくりな悪魔祓いに。」 「…!?」 「…なんだと?」 その言葉にグレンも驚いたがミーナはそれでも話す事を止めずに。 「確かにそんな辛いことがあれば誰だって辛くてその殺した奴に復讐したくなる気持ちも…私には分かります。」 「ふざけるな!お前なんかに何が分か…」 「分かるよ。私も同じように学校の親友を悪魔に殺されたから。」 「…くっ!お前は所詮友達だろーが!俺は家族を失った!たった1人の…残された1人の家族を奪われたんだ!こんな気持ち…お前なんかに…」 「所詮って何よ?」 ミーナの表情は強面に変わり、声が低くなった。 「大切な人は家族以外にもあるはずよ。あなたたち騎士団は市民の人の事も所詮赤の他人って言うの?」 その言葉にエバルフは何も返せなかった。いや、今の自分の事を考えると返す言葉なんてなかった。 そしてエバルフは正気を取り戻したのか次第に赤くなった右目が戻っていき黒くなった体も元に戻っていった。 「何が全ての人々を守るよ…何が騎士団は市民のヒーローよ。簡単に闇に堕ちてしまうような弱いヒーローなんていない方がいい!今のあなたは騎士団に相応しくないって昔のあなたならすぐ気づけたはずよ!」 「……!?」 「…今ならまだ間に合うはずです。もう、復讐の為に生きるのはやめて下さい。昔の、純粋に市民を守ろうとするエバルフさんに戻って下さい。天国にいる妹さんはそれを望んでるはずよ。」 ミーナは最後に優しくそう言った。 エバルフはようやく自分の愚かさに気づいたのか上を向きながら号泣し、そのまま座り込んだ。南地区黒いヒビ割れの悪魔が言った通り、この地区にも悪魔がいた。その中でも黒いスーツを着たスマートな体型の悪魔は騎士団の攻撃を喰らっても倒れることはなく、街を容赦なく破壊していく。「くそっ!もっと魔砲弾を撃てー!」「だめです!もう弾が残り少ない!」「くそっ!こんな時に12騎士長の1から9長は他の国に出張とは…エバルフとカレンはまだ戻ってこないのか!?」「それが…未だに連絡が取れません!」「くそっ!仕方がない!俺がやってやる!」先陣を切って前に出たのはエバルフとカレンと同じ称号を持つ男。11騎士長(イレブン・ナイツ)サージス・デルモンテ見た目は黒髪に白髪が生えかかった40手前の男だが体力が自慢の筋肉質な男だ。「11騎士長!1人で大丈夫でしょうか!?」「お前らが出てきたら邪魔だ!砲撃手以外の騎士は周りの雑魚共をやれ!俺はあの黒スーツの悪魔をやる!」サージスは他の騎士達に指示を与え、自分は黒スーツの悪魔の悪魔の方へと行った。「1人でいいとは随分余裕だな。」「ふんっ!俺は何年も騎士団やってきた男だ!お前みたいな貧弱な悪魔一捻りにしてくれるわ!」サージスは手から自分の武器である1m?程ある巨大なサーベルを出した。「まあいい。俺はこの国を潰す事が目的だが暇つぶしついでにお前と遊んでやるよ。」「遊んでられる余裕があればなっ!」サージスはサーベルを縦に振るとその威力で地面が割れた。悪魔はそれをジャンプでかわし、空中に浮いた状態でその威力を見た。「なるほど、身体能力を上げる魔法か。確かに人間にしては筋力だけはある様だな。」悪魔は浮いた状態から一気に急降下し、サージスの胸に向かって鋭い槍状の魔力の塊を投げつけた。「筋力だけと思うな悪魔め!」そう言ってサージスは地面を蹴ると、その勢いで空を飛び上がった。飛んでる最中に魔力の槍をサーベルではじいて避け、そのままの勢いで悪魔を斬りつけようとする。しかし、黒スーツの男は浮いた状態で体を回旋させながらサーベルをかわす。「ちっ!すばしっこい悪魔め!」避けられたのが悔しいのかサージスは舌打ちをすると魔法でフワフワと落ちて地面に戻る。「なるほど。とんでもない筋肉だな、地面を蹴るだけで空を飛べるとは。しかもそれとは別に魔法で体を軽くしてるんだな。」「そうだ!だが、俺の実力はまだまだこんなもんじ
宝石店を出てからミーナはカレンに案内されながら色んな店に寄り、手には買った服や旅に必要な生活必需品などが入った袋を持っている。重くなった荷物を持っているミーナを見て微笑ましく思ったカレン。笑いながらミーナに声をかけた。「うふふ、いっぱい買い物できて良かったね。ミーナちゃん。」「はい!本当にありがとうございます、カレンさん。」「いいのよ。仕事の休みは私1人で買い物してるからあなたみたいな女の子と買い物できて楽しかったわ。」「えへへっ。そういえばカレンさんは何の仕事してるんですか?」「私?私は……」「おーい、カレーン!」カレンが答えようとした時、2人の後ろの方からカレンを呼ぶ声が聞こえてきた。誰だろうと振り返ると手を振りながらやってくるのは男の人だった。一瞬彼氏かなと思うミーナだが数秒後その人が誰なのか一瞬で分かった。その人とは。「え、エバルフさん!?」この人はこの前までグレンを殺そうとしていた騎士団の1人のエバルフさんだった。向こうもミーナとカレンが一緒にいる事に驚いていた。「君は、紅の悪魔祓いと一緒にいたお嬢ちゃんじゃないか!?なぜカレンと?」「あら、あなた達2人とも知り合いだったの?」「ああ。この子はこの前団長に報告した悪魔祓いと一緒に旅してる子だ。…この子がいるって事はまさかこの国に紅の悪魔祓いがいるのか?」ミーナを見てグレンの事を思い出したエバルフ。焦っているのか額から汗が流れ落ちていた。それに気づいたミーナはエバルフを気遣うように返した。「大丈夫ですよ。この国に来てからグレンと私は別々に行動してるますから。」「ホッ……そうかそうか。じゃああいつは今いないんだね?」一瞬だけ安心したため息を吐くエバルフを見てカレンは笑いながら馬鹿にするように。「あはははっ!何ビビってるのよ。ほんっとに情けないわねぇ。」「うっ、うるさい!お前はあの化け物を見てないからそう言えるんだ!」「あんたと一緒にしないで欲しいわね。どんな敵がいても私は負けずに挑むわ。あんたと違ってね!」「何だとー!」2人が言い争ってるとそこに割り込むようにミーナが口を出した。「あのー。カレンさんの仕事ってもしかして…魔法騎士団の騎士ですか?」「ええ、そうよ。ちなみに私は10騎士長でこの人(エバルフ)よりも上の位よ。」指を差しながらエバルフを見
あれから数日後、グレンとミーナは旅を続けようやく大国イフリークに到着した。 この世界には東西南北の四つの大国がありここは西の大国で他の4つの国に比べると魔法を主とした文化が発展していた。 「わぁ~!みてグレン!建物があんなにも大きいよ!」 初めて見る都会の建物が珍しいのかミーナのテンションはいつも以上に高かった。 そんなミーナにグレンは呆れた様にため息をついた。 「…さっさとこっちこい。入国の手続きするぞ。」 この国では他国からのテロの防止の為か入国する際に身元と持ち物点検を兼ねた手続きが数カ所ある国の出入り口で行われていた。 もちろん勝手に不法入国すれば国中に警報が鳴り渡りこの国の守護神である魔法騎士団が一斉に出動する事態になり、問答無用で逮捕される。 魔法騎士団の強さは常人を遥かに凌ぐ存在と知っているためかこの国では犯罪件数はほぼ0に近かった。 グレンは入り口まで行くと係りの人に自身のパスポートを出してくださいと言われた。 「おい、お前のパスポートも出せ。この国ではお前の分も必要なんだよ。」 「ちょっ、ちょっと待って…えーっと…」 ミーナは自分の整理整頓されていない鞄をあさりだすが中々パスポートが見つからないためグレンは眉をピクピク震わせていた。 「なんだその汚い鞄は…ったく。すまんが俺のだけでも大丈夫か?急いでるんで。」 グレンは見るに見かねたのか係りの人に自分のだけでいいかたずねた。 「分かりました。今回は特別に1人だけのパスポートのみで入国を許可しましょう。ではこちらをお通り下さい。」 係りの人に案内されるとグレンはそのまま通過するがミーナはまだ鞄の中からパスポートを出そうと探しながら歩いた。 「あーー!!!」 するとミーナは急に大声を出したのでグレンと周りにいる他の人たちは全員こっちを振り返った。 「ど、どうした!?」 「見つかった…」 「え?」 「良かった~!パスポート見つかって。」 どーやらミーナは汚い鞄の中からパスポートを今頃見つけ出して喜んでいた。 グレンとその場にいる人全員はこれを見て同時にこう思った。 「(ややこしいからやめろって。)」 2人は入国を許可されたのでこの国の入り口を通り、大通りに出た。 その通りには普通の町では買えない木の
今からおよそ10年前、ある国の悲劇によって世界中を恐怖させた。 その国は、赤い地獄ーレッドヘル。 昔は世界で一番平和で活気のある国だったが10年前の事件によって人はこの国に立ち入る事を禁止された。 そう、人はいない。 昔の事件の影響によって太陽は隠れこの国は年中黒い雲に覆われ冷たい風が街を吹き抜ける。 レッドヘルの中心部には一つだけ壊れていない小さめの建造物があり、その建造物はこの国の地下に繋がっている。 その地下には世間には知られていない場所があった。 地下の悪魔の住処ー通称(悪魔界) そこにはたくさんの悪魔が生存していて地下には建物や店が出回っていた。 そこにも人間と同じようにトップの悪魔が存在しその者達が集う場所があった。 その部屋には10人程度の悪魔達が椅子に座っていてそのうちの1人の男が言った。 「おい、聞いたかよ?あのロフィスがやられたらしいぞ?」 その男は逆立った黒髪に目がつり上がっている悪魔だった。 その発言に今度は手足の細いスタイリッシュな体型に金の長髪にウェーブが掛かった大人女性が返答した。 「らしいわね。あの予知能力は私達にはない存在だったから結構便利だっだのに…残念だわ。」 その女性はロフィスではなく、ロフィスの能力にしか興味がないようだった。 「なに呑気な事言ってやがんだ。ロフィスが殺られたって事はよぉ、あの悪魔祓いとか言う人間に負けたってことだろーが!」 逆立った髪の男が金髪の女性を睨みつけ怒鳴った。 それに対して女性はクスッと笑い。 「全く、まだまだ可愛い"憤怒"ね。まるで怒鳴るのがカッコ良いと思ってるような学生の反抗期のようね。」 「うっせーな"色欲"のくそババァ。てめえみてえなバカ女は男のケツでも追っかけてろ!」 憤怒と言われた男は凄みを利かしながら言った。 すると女性から笑顔は消え、無表情の顔になった。 ガタァンッ!! 「……は?あんた喧嘩売ってんの?」 椅子から立ち上がると黒いオーラが体の周りから発生し、それを見て憤怒の男が下品に笑いながら挑発する。 「ハッ!やるなら掛かって来いよ!このブスが!」 「このガキ……一回死ななきゃ分かんないのかな…?」 2人が攻撃態勢に入ろうとしたその時。 バァァァン!!! 机を思
「…ふわぁーーー…今日はなんだか疲れたなー。」 眠さで大きなあくびをするミーナ。 ロフィスの一件の後、グレンとミーナは町の外れにある綺麗な水辺の近くに寝泊まりすることにした。 「けどグレンの空間能力はすごいね。なんでも収納可能じゃん。」 テントや寝泊まりするために必要な道具はグレンの空間能力のポケットから引き出した。 「…そういや、エバルフさんが言ってた事ってほんとかな?」 ミーナはエバルフ達と別れる際に、エバルフからこんな事を聞いた。 昼間 ロフィスを倒した後、エバルフ達はグレン達の方に向かって一列に整列した。 「今回の件に関しては、紅の悪魔祓いの協力で獄魔の討伐に見事成功した。感謝する。それと、お嬢ちゃん。…ありがとう、君のおかげで騎士団の誇りを思い出せた。」 「全隊、礼!!」 そしてエバルフの号令でエバルフと部下達は全員揃って頭を下げた。 「俺を捕まえなくていいのか?ずっと狙ってたんだろ?」 「まさか、今日俺たちの命を守ってくれた恩人を捕まえるわけないだろう。…では、俺は今日の事を騎士団の団長に報告しなければならんからここで失礼する。」 エバルフ達は去ろうとしたがエバルフは最後に振り返ってからこう言った。 「一応言うが団長には気をつけろよ。あの方はお前みたいな強い奴と戦うのが好きだから会えば必ず戦いになる。そうなったら流石のお前も命はないぞ。」 それを最後に言い残し、部下を引き連れて去っていった。 「………命はないぞ…っていう事はグレンより強いのかな?」 悪魔を余裕で倒すグレンに勝つかもしれない人なんて相当強いに決まってる。 「だとしたらグレンとその団長は近づけてはいけないわ。…そういえばグレンは裏で何してるんだろ?」 ミーナはその事を伝えるためにテントの裏に顔を出してみた。 そこには何やら坐禅を組みながら目を瞑り、魔法書のような物を開いていた。 その周りを囲む様に黒い魔法陣が地面に展開され、そこでひたすら呪文のような物をブツブツと唱えていた。 ミーナはよく聞き取れないので気づかれないようにそーっと近づいて聞いた。 「(何だろう…?こんなに近くで聞いてるのに何言ってるのかさっぱり…)」 ミーナはここで邪魔するのもグレンに悪いと思ったのか終わるまでそばで待つ事にし
「エバルフさんの悪魔化が…解けたぞー!」 「「うぉぉぉ!!でかしたぞお嬢ちゃん!!」」 エバルフの悪魔化が解けたことで部下たちは喜び叫んだ。 グレンはミーナがエバルフの悪魔化を止めれた事を未だ信じられないのか唖然としていた。 「信じられんな…ただの人間が悪魔化を阻止するなど…」 (まったくだ…てめえですら悪魔化を阻止できた事ねえのによぉ) グレンの悪魔もグレンと同じくミーナの行動を感心した。 「…何てことだ…あの人間の悪魔化を…」 悔しそうな顔をしながらブツブツ独り言のように喋るロフィス。 そして一気に顔の表情を強面に変えて。 「よくも俺達の計画を…3年かけたこの計画を無駄にしやがったな…許さん…許さんぞぉぉぉ!人間どもぉぉぉ!!!」 ロフィスの声の大きさに全員再び戦闘体制に入ろうとした時。 「…!?…ガァッ!…」 ロフィスの指先から出た一筋の光線がエバルフの胸を貫き、エバルフの体は地面に倒れこんだ。 「エバルフさん!おい、ロフィス!いい加減にしろてめぇ!」 「いい加減にしろだと?こっちのセリフだクソ人間…。3年だぞ…こいつを悪魔化させんのにどれだけ苦労したか…許さんぞ。お前ら全員皆殺しにしてやるよ!」 ロフィスの腕と顔が変形し始めた。 黒い体は普通の悪魔と同じだがロフィスの変異は普通の悪魔と違い人間の面影を残したまま腕と顔が黒く変異し、髪は茶髪のままだった。 「あの人も悪魔の姿に…」 「落ち着けミーナ。危険だから後ろにいてろ。」 その姿があの時のシェスカと重なって見えたのかミーナは怯えていたがグレンに言われてエバルフの部下達の所に移動した。 そしてグレンはロフィスの方に再び顔を向け。 「…とうとう本性を表したな…」 「殺してやるよ…この姿にさせた事、後悔するがいい!」 まず最初に動いたのはロフィスだった。 ロフィスの怒りは極限状態なのが周りにも伝わってきて戦ってもいない部下達の何人かは反射的に一歩下がった。 ロフィスの拳がグレンの顔面を狙ってくるとグレンは大剣の剣脊でそれを受け止めた。 キィィィン!!! 金属同士がぶつかる音が鳴り響く。 「(こいつの拳は金属類に匹敵するのか!?大剣でガードしたのにビクともしねぇ!)」 しかしロフィスはグレンに考え